三匹の朝ごはんの刺繍を、TOPに飾りました

このホームページのTOPのイメージ画像をこちらの刺繍の作品に変更しました。
以前は、色鉛筆と水彩絵の具で描いた絵を使っていました。
数ヶ月前、ちょっとした気分転換で刺繍を始めました。
始めに興味を持ったのは、ミシン刺繍です。
フリーモーションという技法でミシンで布に絵を描くように刺繍している作品をネットで見かけたのが、きっかけです。
フリーモーションをやってみたものの、ミシンの扱いは想像以上に難しく、
無理やり布を動かしては針を折ってしまったり。挙句の果てにミシンを壊してしまいました。
その時のことは、以前のブログに詳しく書いています。
フリーモションをやってきた時のブログはこちらです
https://fululuart.com/?p=992
ミシンを修理に出している時に、ふと手刺繍をやってみたのが、今につながっています。
元々、針仕事は苦ではなく、むしろ好きな方でした。大学の時、幅1m、長さ2mほどの大きな布に絞り染めをするという課題があり、ほとんどの同級生は、ちまちま布に針で糸を縫い付けていく工程で根を上げていましたが、私はどういうわけか、その布に糸を縫い付けていく作業がとても楽しかったのです。
絞り染めは、布に糸を縫い付けた後、糸を引っ張って布を搾り上げ、染料液に布を浸した時に、染料が入り込まない部分をつくる工程があり、その後、染料液に布を浸し、洗って、乾かして、糸を解いて、完成。というたくさんの工程があります。
私は、その全工程の中でも、特に糸を布に縫い付けていく過程が自分にすごくしっくりくるなと思っていました。心が落ち着くというか。手を動かしている時間がとても癒されるなと感じてました。
今回、刺繍をしてみて、その時のことが思い出されました。布に針を使って、丁寧に糸を通していく時間は、集中できて気持ちが整うような感じがしました。ゆっくりしか進まない、少しずつ布に絵が現れてきて、気がつくと布に絵が描けている、そんな感覚がとても楽しいです。
ペンや鉛筆で描く「線」とはまったく違うのに、
刺繍で描く線には、糸ならではの温度や、ほんの少しの立体感があって、
ひと針ごとに表情が変わるのが面白いなと感じました。
今回のTOPに使った作品は、
猫さん、うさぎさん、犬さんの三匹が、朝ごはんの時間を過ごしている刺繍です。
まったく性格の違う三匹が、同じテーブルに並んで、
スプーンを握っている姿を刺していると、
刺繍の世界に入って、それぞれの子のお喋りが頭の中に聞こえてくるような気分になりました。
この図案を考えて、刺繍を刺し始めた時は、椅子はなかったんです。背景の模様も後から思いついてつけました。
刺繍は時間がかかるぶん、
「もっとこうしたらいいかも」と頭の中でじっくり向き合えます。
そのゆっくりした時間が、作品をふくらませてくれるように感じました。
絵を描くときとはまた違った“静かな物語”が、
ひと針ひと針の中に宿っていくような、そんな感覚でした。
そして完成してみると、
今の私にぴったりの作品に思えてきて、ホームページのトップの画像に使うことにしました。
これからも、ゆっくり刺繍作品を増やしていきたいなと思っています。











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