自分の頭で考えてみる
以前、イラストの教室に通っていたことがあります。
出された課題を家で描いて持っていき、教室で講師に講評してもらう、という内容でした。
ある講評のとき、講師の方がこう言いました。
「モチーフだけではなく、背景も描いたほうがいい」
そのとき、「ん???」
少し、言葉にできない違和感がありました。
でもなぜか、その言葉だけは妙に頭に残ってしまったのです。
そして私は、「イラストは背景まで描いたほうがいいものなんだ」と、いつの間にか思い込むようになりました。
それ以来、なるべく背景をつけて描くようになりました。
けれど、描くたびにどこか引っかかるものがありました。
自分が描きたいのって、こういう感じなのかな?
いつもちょっと、しっくりこない感じがありました。
背景を入れると、絵が少し説明的になる。
地面がこうあって、ここに木があって、、、、そんな感じに、絵の中に余計な説明が入ってしまう。
見る人が自由に想像する余地が、少し減ってしまう気がしたのです。
その違和感を抱えたまま、何年も描き続けていました。
そして今、ひとつの結論に落ち着きました。
背景は、描いてもいいし、描かなくてもいい。
私はどちらかというと、描かないほうがしっくりきます。
余白があることで、見る人の中に空間が生まれるからです。
もちろん、背景を描くことが悪いわけではありません。
細部に遊び心を忍ばせたり、物語を広げたり。
そういう楽しみ方ができるのも、背景の魅力だと思います。
ここまで読むと、「絵の描き方の話かな」と思うかもしれません。
これは、絵の描き方の話のようでいて、少し違うんです。
先生や先輩、親など、自分より、歳や立場が上の人のいうことを、
鵜呑みにするのではなく、一回、本当にそれが正しいことなのか、
疑ってみるという視点をもってみませんか?という話です。
例えば、職場などでも、先輩や上司が仕事のやり方や
進め方にアドバイスをくれることありますよね。
中には、この通りにやりなさいと言ってくる人も。
でも、それって、本当に正しいやり方ですか?
その職場だけで通用するやり方ではないですか?
古いやり方をやり続けているだけではないですか?
もちろん、業務フローなどは、まずは会社のルールに従ってやる必要がありますが、
もっといいやり方、解決方法があるのではないか、と常に考えることも大切だと私は思います。
以前、テレビで
元プロ野球選手の桑田真澄さんが
「常識を疑え」と話していました。
桑田さんは、今、古い野球界の常識を疑い、
根性ではなく、理論で指導をされています。
当たり前とされていることも、
一度立ち止まって見直してみる。
そうして周りを見てみると、
変えられることや、やめてもいいことが、
案外たくさん見えてくるのかもしれません。
これは、以前描いた、背景を白い余白にした作品です。












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